どもです~^^

D氏のAlex-SINGER組み立てOH完了いたしました。
フレーム№1564の1970年代前期頃の個体です。
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都合上、雪の降る中の撮影になっちゃいました・・^^;

今回のAlex-SINGERはカテゴリー分類上レストアとしていますが、ティーエヌ的にはレストアでは無く、OHになります。
それではティーエヌ的にレストアとOHの差って何?・・と言う事ですが、
それは痛んでいる部分を可能な限り細部まで全て新車当時のクオリティーに戻す事をレストアと分類しております。
(時にオーバーレストレーションと揶揄される事もありますがww)
で、今回の場合はOH、グリスUP、研磨バフ掛けまでですのでレストアとはしておりません。
結果、レストアと比べて曇り・錆び等の劣化症状が早く表れる場合が有り、新車当時の耐食性を望む事は出来ませんーー;
※どちらにしてもオーナー様のご希望をご優先していますのでお気軽にご相談下さい。

まぁ、そんな事はさておき・・・
トランスミッション周りです。
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ジュビリー、TA等、1970年代前期頃らしい仕様です。
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A-SINGERと言えば、このようにクランクとチェンリングのアームが一直線に揃っているのがイメージですね。
しかも純正の六角ドーム型のトリプルピンとくれば尚素敵です。^^/
実は このアウターギヤ、オーナー氏プライベート製作品なんです!スゴイ!
(超入手困難?一直線のツーリスト型は実在するのかどうかも不明?です・・笑)
追記:ツーリストの古いタイプに一直線タイプが存在していた様です・・^^;

ヘッド周りです。
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ラグのカット方法はR-HERSEと似ていますが、長めのヒゲがA-SINGERですね。
フィレット仕様のロウ盛りラグですが、R-HERSEとは異なりA-SINGERは塗装仕様のフレームでもロウ盛りをしているようです。

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長めのオリジナルステムのキャップにはオーダー主のパリの住所が刻印されています。

フロント周りです。
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A-SINGERの代名詞と言われるFキャリアは左側にピン球ランプが直付けされています。
長めに突き出た泥除けのセッティングも特徴的です。


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リアには大型のパニア用キャリアが付いています。
取り付けはシートステー4ヵ所にフックする形で固定されていて、
時々の状況に応じて簡単に着脱出来るようになっています。


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オリジナルカットのBBラグにはオリジナルのシールドベアリング式BBが組み込まれています。


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A-SINGERらしく左チェンステー後方にはテールランプが付きます。

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今回のA-SINGERをご覧頂き、皆さんはどのようなふうに感じられたでしょうか?
少しスローピングになったフレーム、水平で無い前後キャリア、
前に突き出たF泥除け等、現在のオーダー車基準で 意図せずこのようなセッティングでオーダーした自転車が納車されたら皆さんなら どう感じますか?
どうあれ、ティーエヌ的には、これが本来のA-SINGERらしいアクの強さのように思っています。
先のセッティングに関しても肯定的なロジックとして説明する事も可能です。
(それが正しいかどうか?は解りませんが・・^^;)
1980年代後半頃、R-HERSEが閉店し、ランドナーやスポルティーフをオーダー出来るフランスの工房がA-SINGERしか無くなってしまった頃からR-HERSEの面影を押し付けたようなオーダーのA-SINGER(自転車)が多くなったような感じがしています。
その気持ちは とても良く分かります・・^^;
(かくいうティーエヌがオーダーしたA-SINGERも、そんな1台ですから。)
しかし、今回のA-SINGERは1970年代前期頃と言う時代背景も有って、A-SINGERがA-SINGERらしく在った頃の1台のように感じます。

 D様、大変お待たせいたしました。m(__)m